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プチのお知らせ

「今週末は、東のほうが賑わうでしょう」

…S宰相のドヨドヨ…でなくって
とっても明るい予言

いよいよ
プチオンリー「白陽国の休日」さんの大きな大きなお祭りですね

支部にお品書きあげております。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=49184763

パラレルアンソロの詳細は
「現パラWORLD」告知サイトにございます^^

ちょっとでも
この目の前にそびえたつ仕事の山崩さないと
現地に行けないのよ――!!!(涙;

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

*
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まにあいました

ギリギリ終わらせました
東へ向かいます

おまけの
A6サイズのミニミニ4ページSSを載せたペーパー
なんとかまにあいました。

100部、コピー完了
後は移動中に折り折りします

テンション上げたい
でも、眠い。(笑

みなさま、どうかごきげんよう
また明日。

プチ御礼

プチ御礼
今日はありがとうございました

スペースに足をお運び戴いた方ありがとうございます。
テンパっていて充分なおもてなしもできず、本当に申し訳ありませんでした

心のこもった差し入れ、メッセージ、ほんとにほんとに嬉しかったです。
東京まで来てよかったです。

パラレル・アンソロジーに携わることができたのも
快くご寄稿下さった作家さんのおかげです。
素敵な方々ばかりで、私本当に感激しています。

今回、スペースでは黄昏の皆様はじめあちらもこちらもお世話になりました。足を向けて眠れません。(あのかたにもこの方にもお世話になって、これから私寝るときは直立不動で弁慶の立往生になりそうです)

不甲斐ない私を (´;ω;`)ウッ …ありがとうございました。

ご一緒できてとっても楽しかったです(´ω`*)

なんといっても
プチオンリーを開催してくださった実行部さんのおかげで、
このような機会がなければ、実現しなかったことが
沢山ありました。

こうして、ご縁がありお会いできて、本当に嬉しかったです。

A子様、素敵絵をありがとうございました♪
大切にいたします♪



楽しかった…
はあ。
楽屋裏は本当に綱渡りでした。

個人的にギリギリまでいろいろありまして
思うように準備もできず、
スペースの方も不手際が多くすみませんでした。

まずはお詫びと御礼まで。







<お詫び>
・目が悪くてすみません。
・花粉症で薬漬けしてたんですけど喉が腫れて耳がぼわーんとしてて、何度も聴きなおしたり空耳で頓珍漢なこと言ってたらすみませんでした。
・売り子下手で、いろいろ不手際があってすみませんでした。


<だらだら書いてすみません>

おかげさまでなんとか生還できました。

でも、ほんとに今回強行軍でした。
(このスケジュールはもうやりたくない。体に悪いです)

どんな強行軍っぷりかと申しますと
・前がオシてたせいで前泊できず夜中移動
・東京に着いたのが早朝すぎて、
 まだお店が空いてなくて
 時の流れに身を任せ~そのまま会場に着いちゃった~
 結局、朝ごはん食べそびれた。
・ついでに昼ごはんも食べそびれちゃった
 備蓄カロリーメイト1本で命を繋ぐ。
・トイレ結局朝7時いったきり
 夕方5時頃まで行けなかった。 ←これは身体に悪そうですね(笑
・スマホの電源って一日持たないんですね。 ←学べ

<おぼえがき>
・健康のために、もう少し要領よくトイレに行こうと思いました。
・スマホの充電器っているんだなと思いました。(帰りの電車ググるために持って行ったのに。沈黙して役に立たず)



…ツマラナイ日記、失礼しました。


<これから…?>

最近、超多忙でブログもお休み気味ですみません。
アルプス山脈みたいに高峰がゴンゴンゴーンと次から次へと続くモードは3月で前半でひと段落
小さい峰はまだまだチョコチョコありますけど
来月のりこえたら少し楽に…(希望的観測)

イベントの方は
次回、5月3日に
黄昏さんのご厚意で合同サークルの形でまた出させて頂けることになっております。

(その日は多分東京には行けないんですが)

今回の新刊「秘密の苑・刺青の男」は、残部わずかで
とらさんの方も残部そんなには多くないし
次回の5月、並べられるかはちょっと微妙…と考え

今より少しスケジュールも落ち着くと思うので
参加を励みに
今度は書下ろし(薄くても)新刊を書けたらいいなぁ…と思ったり。

何か書こうかしら…? な段階です

(まだまだほんとに未定ですから期待しないでくださいね)

「ご希望は、フリーダイヤル0120××××××」 ←?



<さいごに>
本当に楽しかったです。
ありがとうございました。


*


SS あわせ鏡の向こう側。

昨日は悩乱して興奮のままいろいろ書いてしまったけど
こっ恥かしかったので下げました(笑


そんなこんなで元気です。

ひさしぶりに、管理画面に入ると
パスワードを聞かれるのが新鮮。←






【陛下独白】 ストーリーも何もない他愛もないのをおひとつ。

※ほんのりネタバレ?なのか、そうでもないのか?
とりあえずコミックス派の方はご注意ください。



* * * * * * * * * * * * * * * * *
SS あわせ鏡の向こう側。
* * * * * * * * * * * * * * * * *



夕鈴。
君は自由だ。

夕鈴。
君は不思議だ。

夕鈴、
ぼくをいつも驚かせる。


檻の中に縛り付けたい訳じゃないから
ぼくは君を手放した。

あんなに切羽詰まって
あんなに苦しい思いをして…

…なのに
君はぼくの気持なんかお構いなしだ。


君はいつもぼくの想定外なところから降って湧いて
まるで、君の方から突進してきたように見えた。


『狼陛下は、嫌われ者』

『王宮は、牢獄』



馬鹿だ。

なぜ君は
あえてそんなところに舞い戻る?



「陛下と一緒にいたい!」

夕鈴、
君はいつもぼくを驚かせる。

縛る、なにもかも
いつもやすやすと突破して

ぼくの苦労なんかお構いなしに

君は
いつもまっすぐで
いつも真剣で

君の言葉は
あっけないほど簡単に
ぼくの心の檻を壊す。


…なんだか
すごい、破壊力だ

君の言葉。

君の行動力。

君の持つ生命力のすべて。

闇を払い、壁を打ち砕く
太くて逞しいエネルギーに満ちていて


あれほど頭を悩ませたあれやこれやなんて
あっけにとられるほど、
大したことではなくなってしまったじゃないか!


強くて真っ直ぐな光に照らされて
ぼくははじめて、見えたものがある。


「陛下のお役にたちたいんです!」

君の真っ直ぐな眼差しがあるから
ぼくは救われる。

ぼくは決意する。
ぼくの手で、君を守る。


でもそれは
――”囚われて、可愛そう”だとか
そんなんじゃなかったんだ。


囚われていたのは
君ではなくて
ぼくの方だったんだね。


君の目と
ぼくの目

映すのは景色じゃなくて、光だ。

君は私の心に光を投げる。



夕鈴。
君は何にも縛られない
自由なひと。


ぼくは君を見つめ
君はぼくを見つめる。


あわせ鏡のようにそこに居て
映しあい結ぶ像のその先が見てみたい。

泣いても、笑っても

ぼくの光は君に。

君の光は、ぼくに。

ずっと、共に。



(おしまい)


*

[お知らせ]お取り寄せ

恐縮ですが
一部の方への事務連絡です。

「てすさびの 総集編」

とらさんにて
取り寄せ販売始まりました。

3/21 ~ 3/31締め切り です。

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/17/65/040030176561.html

宜しければ






取り急ぎ、お知らせまで



*

白い影

ご無沙汰しております。
本誌で浮かれてゴロゴロのたうち回っております。


そんなうきうき萌え萌えな時に
地味ーなお話
つまんないとおもいますが
よろしければ。


若干のネタバレ含むので
ご注意下さい。

---
<ささやかな業務連絡>
現パラWORLDの告知サイトは
お役目を果たしましたので閉じました。
ありがとうございました。
---



【陛下の過去ねつ造】【ネタバレ注意※】
コミックス派の方はご注意下さい。

* * * * * * * *
白い影
* * * * * * * *

たぶん
私が成人するまで生きる確率は
極めて低かった。

私は私の命について
さほど気にも留めてなかった。

それでも生き延びたのは
単に運が良かったのか
それとも
何かの意志で生かされたのか、
…それは分からない。

ただ言えるのは
私は生き残った。
そして、
王位を継いだ。

* * * * * * * *

宴会の席に彼女を出すのは気が進まない。

「…。夕鈴」

「はい?」

彼女の手にあった杯を、私は手で蓋した。
つとめて優しい声を出す。
「そろそろ、戻ろう」

「――えっ!? 陛下。今、席についたばかりですよ!?」

せっかく何時間もかけて、おしゃれしたのに…。
彼女はブツブツと不満げに小さくつぶやいた。

そう。
彼女は人目を引いて
とても美しかった。

白い肩も、細いうなじも。
男の私が本気を出せば、いともたやすく縊(くび)れるほどに
華奢だった。

彼女の手の中にあった杯をさりげなく取り上げ、卓上に置き去る。
「そのように艶やかな姿は、私にだけ見せれば良い」
そういって私は彼女を抱き上げれば
夕鈴は私にだけ聞こえるような声で
んもー、んもーと小さく唸った。

背中にあてた手を回し込み、抱きしめる。

彼女はいつも暖かい
生身のぬくもりに
私は安堵する。

さっき、酒杯に仕込まれていたもの。

――私にとってはたいした毒ではない。

しかし、毒に対する耐性をさほど持たぬ彼女であれば
少量であっても害をなしたことだろう。

どんな場所であれ
彼女の口に入れるものすべてに事前の毒見は命じている。

しかし、どんなに頑強な体制を編もうと
どこかをすり抜けて彼女の元にまで至る悪意はたしかに存在する。


彼女はまったく気が付かず、
酒宴での私の義務について真面目に全うすべきだとか
着飾るために費やされた侍女らの労力や膨大な時間をあげ
「きちんと私にもお仕事させてください!」と
足をバタバタして私をなじる。

私は一顧だにせず、笑いながら彼女を抱いたまま酒席を離れた。

「へいかの分からず屋!」

ふくれっ面した妃がジトリと私をにらみつける。

そんな顔されるのは心外だ。


…だけど
私は、嫌われたっていい。

ほとほとと脈打つ彼女に触れ
わたしはホッとしている。

彼女が生きていることに感謝した。


* * * * * * * *

幼い頃の記憶は薄らボンヤリとしている。

あれはまだたぶん、後宮にいるときだ。

私は、寝ていた。

なぜ寝ていたのか、前後の記憶があいまいだが
幼い自分は特に気にも留めていなかったように思う。

見ていた天井の文様や、
薄暗い後宮の部屋の一角の情景だけが断片的に思いだされる。

当時の自分にはよく分かってはいなかった。

今思えば、おそらくあれは
解毒後の体のだるさだったと解る。


母は表情の消えた
紙のように白い顔をしていた。

黒い瞳は濡れているように見えた。

私はだるくて仕方がなかったが
手を差し出して母の頬に触れた。

母の瞳からは新たな涙がこぼれ、私の指を濡らした。

「ごめんなさい、黎翔…」
絞り出すような声。

私は何の事だかわからなかったが
母がそのように悲しむのなら
悪いのは自分だと思った。

* * * * * * * *

旅をした。

生まれて初めて経験する長旅は
見るもの聞くもの、周りのすべてが新しく
刺激的だった。

終着点の北の辺境は、遅い春を迎え
あたり一面、白い花が咲いていた。

馬車から降りた私は、はしゃぎまくって
あたりを駆け回った。

振りかえると
母が遠い眼で私を見つめていた。

「黎翔。気にいった?」

「…うん!」

旅ではしゃぎまくり、高揚していた私は
ハッと冷水を浴びせられたかのように感じた。

母の顔は
白い花びらとおなじくらいに白くて儚なかった。

後宮では、さまざまな宝石や豪華な衣裳で着飾った母の姿を見ることが多かったが
今はもう仰々しい衣裳は身に着けていなかった。

白っぽい打掛をかつぎ、風に吹かれた母は華奢で、
今にも消えてなくなりそうだった。

私は急いで母の元に駆け寄って
その体に必死で抱き付いた。

「…ここはどこ?」

「ここ? 
ここは、これからお母様とあなたの二人が暮らす場所よ」

「ふうん…」

見まわすと殺風景などこまでも荒涼と広がる台地に
白い花が咲いていた。

「いままでと違って、不便するとは思うけれど」

不便というのはどういうことか
幼い私には分からなかったけれど
今までもほったらかしで育った私にすれば
何が便利で何が不便かなどにはおおよそ頓着もなかった。

「お母様と、二人…だけ?」

「そう。二人で暮らすの」

「…そうね。
あと何人かは人も雇ってるけど。
二人で暮らすのよ」
「ふうん」
うふふ…と子供だった私は笑ったと思う。

後宮の息苦しい雰囲気にくらべれば
ここは別天地だ。

嬉しくなった私は母の両手をつないで
ぐるぐると回った。

母は急に手をとられせいか、
ふらついた。


大人の母が
私に引っ張られただけで、風に吹かれた花びらのように揺れた

母があまりにも軽いことに
私は驚いた。


私は急に怖くなった。

「――お母様、どこにもいかないで」

「黎翔?」

母は寂しげに微笑んだ。

「ずっと一緒だよね?
どこにもいかないで」

「……」
母は私を抱きしめてくれたけれど
私の願いに対する約束を口にすることはなかった。

「ここにいれば、安全」
「? あん、ぜん?」
「そう」
「黎翔のためなの」
「…ぼくの?」

「あなたのために、ここにきたのよ」


そうして、私たちは北の地で暮らし始めた。

けれども寒い土地での暮らしに
母はすぐになじむことはなかった。

早春はせかされるように過ぎ
短い夏に、足早に立ち去る秋。

北の辺境の一年間のほとんどは
長い冬に支配され何もかも凍える寒さで覆われていた。

母は体を壊し、
寝台の上で根雪のように横たわっていることが増えた。

白い花びらのように薄く軽く、小さく。
この地での暮らしは、母の命を削っていくばかりだった。

わたしのために、
母と私はこの北の地にいる


母には悪いけれども

私が生きているから
母を苦しめていると自分には思えて仕方がなかった。


そんな北の僻地にはほとんど人は立ち寄ることもなかったが
年頃になると荷文応という賢者とさまざまな武の師、そして李順という年上の子供が
遣わされた。

私は、強くなりたかった。

白く、軽くなる母を
この世にずっと、とどめるためにも
私は強くなりたかった。


李順は文に長け、武の方面では私の相手にはならなかったが、
武芸に熱中する私にあまりよい顔をしなかった。

小さな擦り傷でも
「あなたには尊い血が流れているのですから
もっと御身をお大事に」と口うるさかった。

そんなことを言うのは李順くらいのものだったし
母はいよいよ小さく病弱になるばかりで
人が言う「尊い」父の血がこの身に流れていることに
あまり良い思い入れものなかったからだろう。

母の命以上に

自分が
生きるとか
死ぬとか

私にとって
そんな大事なことではないと思っていた。


強くなって、母を守る
それしかできないと思っていた。


自分の命など
母の代わりにいつでも差し出せると
私はずっと思っていたのに

ある年、ことのほか厳しい冬の終わり
母はあっさりと逝ってしまった。


* * * * * * * *

あんなにも母を苦しめた王宮。

そこに今私は住んでいる。




*

前門の狼

総毛立つほど緊張を強いられる時期をようやく通り抜け
すこーし平常に近づいてきました。

ちょっとほっとして
昨晩はぐっすり眠りました。

まだプチのお宝、手つかずなので
これからゆーっくり…と夢想してるだけでも楽しい。

5月3日のスパコミ(黄昏博物館さんと合同サークル)あわせに
久しぶりに薄い書下ろしでも…と(気持ちだけはある)。
印刷所さんの方で確認してみたら
早期割引は3月末とか4月上旬とか――。

表紙絵も中身の構想も何もないのでこれは無茶。
早期は諦めて通常でよろしい
「参加することに意義がある」路線でのほほんとスケジュール組みます。



ところで、よく
「歌をつくるときは歌詞が先? メロディが先?」みたいにありますけど
創作に関しては、みなさんそれぞれにお作法がありますよね。

SSなら「ストーリーが先? シーン先行?」とか
お絵かきなら「眼から描く? 輪郭線から描く?」とか
紙媒体の本だと「表紙が先? 中味が先?」とか…


某サークルさんは絵師様と書き手様が別で、
この間は表紙が先だったみたいなので
すごく新鮮な気持ちで制作の気配を肌で感じて(直接見てたわけでもないけど、それがまたチラリズムで…)楽しませていただいたりしました。

(さりげなく絵師様募集。← )

さて
ちなみに、私のSSの場合は
ストーリーのアウトラインが大まかに浮かんでから書く時もあるし
ある一シーンが先の時もあるし
先に筋書きを仕上げて後から肉づけ(修飾やシーンや会話の挿入)するときもあるし
時には行き当たりばったりで書いてるときもあれば
かなりガッチガチに先が見えてて出力に専念する時もあります。
――こうしてみると、その場その場でのノリみたいです。


お絵かきは
頬からあごにかけての輪郭、(目、眉、鼻*)、口、前髪、耳、髪の毛…の順? *の辺りは絵によって順不同だったり…じゃないかなあ、です。あれ、でも。アンパンマンの場合は、
顔の輪郭、鼻、ほっぺの輪郭、口、目、眉…だわ?!

…まあ大概どうでもよいです。

みなさんは、お絵かきするとき
どんな順番で描きますか?


そうそう。
数名の方からお尋ねがありました
カボチャの話。
そのうち書きますね。
あれは最後まで書きたいです。

お話のアウトラインは頭の中のどっか隅っこに居たので、完結を私も見たい。
ただ、それをいぶり出して狩るためには
カボチャの妄想で頭を一杯いっぱい、ヒタヒタまで満たしてやらないといけません。
また時が来たら、もう一回、最初っから読み直してきます←


まだしばらく調子でないかもしれませんけど
筆を持つリハビリ期間で
ときどき書くように頑張ります(笑



【陛下の気分ねつ造】【微糖】【ネタバレ注意※】
2015年LaLa5月号 第69話のネタバを含みますので
コミックス派の方はご注意下さい。

* * * * * * * *
前門の狼
* * * * * * * *

壁についた手に匿われ
黎翔の身体と壁の間に彼女は居た。

趙弼『評史』に曰く「前門の虎後門の狼」のごとき様相を呈し
夕鈴は壁に背後の退路を断たれ、長身の狼王に前門を塞がれていた。

上空から端正な王の顔が覆いかぶさる。
狭い過密な空間は圧縮したように熱気が高まるばかり。

黎翔は彼女の見開いた瞳を覗きこみ
うっとりと笑いを浮かべた。

紡がれるのは甘い甘い言葉。
耳元でささやかれ、夕鈴はクラクラとパニックに陥った。

「陛下っ! お仕事途中でしょ?
早くお戻りください!」

必至で追い詰められた兎は、狼の身体を押し戻す。

「これほど君と離れがたいと思っているのに…」
切ない声を聴けば、グラグラと理性を揺すぶられるばかり。

「――君は私と同じようには思ってくれていないのか?」

そんなわけ…
そんなわけ、ないでしょ!?

でも
立場とか対面とか
お仕事とかちゃんと果たしてこその――

真面目な彼女にすれば、
プライベートと仕事はきっちり切り離したい事柄。

ところが王様ときたら
生活のすべてが王様で
どこからが仕事でどこからがプライベートなのか
彼にそんな選択肢はなかった。

だから彼は
妃を愛することだってきっちりと『お仕事』なのだ。

だが、愛しい妃が一杯いっぱいで困惑するその様子を十分楽しめば
まだまだ引いて、そんな時をいとおしみたいという気にもなる。


ようやく手に入れた臨界的な存在…彼女は自分にとって特別な存在だから

身体的に生じる原始的な欲などで
せっかく彼女がみせてくれる、私への愛情表現の…これら連続的なプロセスを一つ一つ楽しむチャンスを失いたくもない。


そう思いながらも一方で

私への嘘偽りない愛を
晴れて口にできることに戸惑い恥じらう君が可愛らしすぎて
ついつい我慢の限界も超えてしまう時だってある。

君を捕まえて
口づける。

「…これくらいは許してくれ」

真っ赤になって君は呆然と私を見つめる。

うん。

頑張って、行ってくる。

君が居るから、頑張れる。

行ってくる
愛しの君、君が待っていてくれるから。

笑って後にする。


* * * *


その日の李順の説教は長くて
あれは、実にめんどくさかった。

結局その後たいした時間は残されていなかった。

私は彼女を抱きしめようとして
断られ
また仕事へと送り出されそうになって、少し慌てた。

「…ダメなの?」
と聞くと

「きゅ、急にそんなされても
ふわっふわで
私。心の準備ができないから
どうしたらいいのか…」

「へ?」

「だから。急にチュッとか――」

「僕がチュってしたら、嫌?」

夕鈴は慌ててブンブンと首を振った
「い、嫌じゃ――」

「じゃ、してもいい?」

「あっ、あのっ…!!」

彼女がしがみつくので、
抱きしめた。

そうしたら、あわあわと
真っ赤になった彼女は私の胸を押し返した。

「そ、その…っ!
ごめんなさいっ!
急に抱きついて――」

バクバクと心臓を高鳴らせる彼女が可愛すぎて
ぎゅうぎゅう抱きしめた。

「陛下…
私、陛下が好きすぎて
幸せすぎて
どうしたらいいか、分かりません!」

泣きそうになって彼女がこぼすから
私は涙が出そうなくらい笑った。

「夕鈴。
それって
ぎゅむーってするのと
チュってするの
どっちが先がいい?って
相談されてるってこと?」



やりすぎないけど

それはそれ。
これはこれ。


*

SS春の便り

お元気ですか?
久しぶりに朝ゆっくり寝て、久しぶりに夢を見ました。
案外スペクタクルな夢でした(笑





<業務連絡> ご不要な方は飛ばして下さい。
---------------------------
・とらさんのお取り寄せ販売(てすさびの)は明日3/31締切です。5月のスパコミにも若干、持ち込み予定。

・3月新刊の「秘密の苑・刺青の男」は残部あと少々。5月のスパコミ分はありませんので売り切れ御免です。




【69話ネタバレ妄想?】【他愛ないSS】
政務室と廊下。黎翔と名もなき官吏と浩大。
69話の設定を含みますので、念のためネタバレ表記。コミックス派の方はお気を付けてくださいませ。


* * * * * *
春の便り
* * * * * *


――春が来た。


政務室、といえば

年中冬の極北の地のごとく
常にブリザードが吹き荒れていたものだった。

とくに今年の冬はことのほか厳しく、
寒気の超大型低気圧が居座っていた。

「春も近いというのにこの寒さ。
政務室に配属された者は、特別に厚手の綿入りの胴衣を支給しないといけませんね。
…ったく、このモノ入りの時期に。
ですが、有能な者たちばかり。体を壊されてもいけませんし、流行り風邪をこじらせたら大変ですし」
李順がブツブツとそろばんをはじきながら算段をし、その予算を陛下に奏上していたのはつい先日だ。


その政務室に、――春!

* * * * * *


狼陛下の眼前に、重要な案件の文書を広げプレゼンをする若い官吏。

昨日までの勤務経験上、さんざん身に染みている。
裁定をくだされるこの世の終わりの審判のように、
この恐ろしさは何度経験しても慣れない。


端的に、簡潔に。
時間のない陛下の午前で、単語一つも吟味し、早すぎず、遅すぎず、
かまず、通る声で。人品、態度、物腰――総合的なプレゼン能力を試されるのだから、それは大変に緊張を強いられた。

「…フム、それで良かろう」


(え?いいんですか?)

あっさりと書類が通った官吏は、むしろあっけにとられ、どうしてよいのか分からずモジモジした。
以前なら決して妥協は見せず、必ず改善点の一つや二つは…

「――だが、この点とこの点には改善を…
…別の視点で方法を考えて見ろ」

(…来た!!)
涙がチョチョぎれる。

(そうだよな、そんなわけないよな
喜ばせて、突き落とされる、それが人生だよな…)

狼陛下は妥協はしない。
だがしかし、覇気に満ち鋭く明朗でありながら、いつになく優しく感じるのはなぜだろう。

思いもよらぬ角度からの賢作のアイデアまでスラスラと口にする。

(さっと目を通しただけで、どうしてそこまで!?)
――全く。舌を巻く。なんという賢君だろう。
改めて陛下の偉大さを知る若い官吏であった。

「――はっ! では直ちに見直してお目にかけます!!」

「再提出の期限は、明日で良い」


(…え?)

いつもなら「即刻」>「後で」>「遅くとも今日中だ」では――?

「ここまでまとめるにはさぞ苦労だったろう。お前の才能は高く買っている。少し休み、その上で明日までにさらに良くしてまいれ。時に休養は必要だ」


(…なんという
政務室に、春が…!!)

その瞬間、彼の脳内で白陽国に花の訪れを告げる花が咲いた。


* * * * * *

昨日までの重苦しい雰囲気はどこへやら。

国王の決済スピードはいつも以上にキレっ切れで速かった。

だが結果的に適度な休養を挟めるようになり、
官吏の勤務環境は大幅に改善し、作業効率もアップした。

いつものようにうず高くつまれた山のような案件をスラスラと滞りなく片づけ、
「今日はずいぶんと捗ったな。では少し私も休む」
と席を立つ陛下を、臣下たちは恭しく見送った。


今日の分の仕事は片づけた。
この後は自由時間だ――李順も文句は言うまい。

回廊を渡る足取りも軽い。

突然屋根からヒソと声が降ってわく。

「…陛下。なにニヤケてんの?」

「浩大か? ――何だ」
馬鹿を言え、ニヤケてなどおらん!
少々憤慨しつつも、ここで顔に出しては相手の思うつぼ
イジられるだけだ。


「お妃ちゃんが、檻中は殺風景だから、何か花の一輪でも活けられたらって呟いてたナ」


「…」

黎翔は耳に入ったそぶりも見せず、知らんふりで歩速を変えず回廊を歩き続けた。

だが、角を曲がるとき目に入った花群に欄干から手を伸ばし、一番大きく華やかに咲き誇る一輪を手折り袖に入れた。


「ヘーカ。顔がゆるんでタガが外れてるぞ」

「煩い!」

左袖から手刀が飛ぶ。

浩大はヒョイと交わしながら
「…あ、お妃ちゃん!」と小さく叫んだ。

黎翔は思わず満面の笑顔で振りむいてしまった。


「――なわけ、ないじゃん!
自分であんな檻に閉じ込めて、さ」


「…ば、馬鹿者っ!」


ちょっぴり動揺して歩幅が大きくなった黎翔を
クスクスと見送る隠密であった。



「春の便り、か――。
お妃ちゃん、よろこぶだろーなー」




(終わり)


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プロフィール

おりざ

Author:おりざ
秘密の苑・刺青の男[織座舎]陛下の花園へようこそ。”狼陛下の花嫁”の二次創作作品を綴っています。足跡などお気軽に残していただければ嬉しいです。【新刊】秘密の苑・刺青の男パラレルアンソロジーパラレルアンソロジーとらさんで取扱。【お詫び】拍手コメ御礼お休み中です。本当に申し訳ありません。お返事ご希望分はコメント欄へm(_ _)m

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~ご注意~
≪以下あらかじめご了承のうえ、本サイトをお楽しみください。≫

・原作者様ならびに出版社様とは一切関係ございません。
・此のブログは日々の日記並びに二次創作作品の倉庫、管理人本人の自由な自己表現の場です。
・この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件、史実などにはいっさい関係ありません。また原作と異なる設定など、表現、その他多数捏造あります。

・二次創作の場です。
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